人獣共通感染症といって、種を超えてうつる病原体があることはご存じでしょうか？

例えば狂犬病ウイルスは病気の犬ちゃんの唾液が、人間の傷口に入る事でうつります。

ですから犬ちゃんを飼うときには、狂犬病の予防注射は必須となっているのです。

犬の食糞が原因で病気になる？

犬ちゃんから飼い主さんへと、病原体がうつる可能性はゼロではないので注意が必要です。

原因は、クリプトスポリジウム

犬ちゃんの糞にも、病原体が潜んでいます。

クリプトスポリジウムという原虫は、免疫の弱い人間に慢性で消耗性の下痢を引き起こすのですが、このクリプトスポリジウムという原虫は犬の糞からも発見されています。

犬ちゃんの食糞した糞の中には、どんな病原体が潜んでいるか分からないので注意が必要だということが分かると思います。

原因は、犬回虫の卵

他にも、犬回虫の卵が犬ちゃんの糞の中に潜んでいるケースがあります。

犬ちゃんが食糞してしまった糞の中に、犬回虫の卵があった場合。

食糞した口で飼い主さんとキスしてしまうと、犬回虫の卵が口から入ってしまう可能性があります。

人間の口から犬回虫の卵が入ると、小腸で幼虫になり、体内を移動します。

そして臓器や組織にとどまり、病気を引き起こす原因となるのです。

これを、幼虫移行症と言います。

幼虫移行症は、失明した子児の眼組織から犬回虫の幼虫が発見されたことから有名になったそうです。

犬ちゃんは、家族に子供がいると仲良しの場合が多いですよね。

悪気はなく子供の口元を、ペロペロと舐める仕草を見たことのある方も多いと思います。

大変微笑ましい光景だと思いますが、病気の原因になる可能性がありますので親御さんは注意してあげてください。

犬の食糞後、キスをすると危険？

狂犬病以外の病気は、犬ちゃんの病原体が人間の口から入る事で引き起こされる病気が多いです。

犬ちゃんが病気に感染していなければ、問題はありません。

しかしいつ犬ちゃんが病気に感染するかは、誰にも分かりません。

犬ちゃんは食糞をしなくても、肛門を舐めて綺麗にしますし、自分の体の至る所を舐めて綺麗にしますよね？

ですから病原体を持っている犬ちゃんですと、その口には病原体がついている可能性があるのです。

愛犬というのは可愛い存在ですから、スキンシップとしてキスをする習慣の飼い主さんも多いと思います。

しかし人間の口から侵入する病原体がいるという事、その病原体が原因で重い病気にもなりえるという事を覚えておいてください。

対策としては愛犬が病気に感染していないか診察してもらう事の他に、飼い主さん自身も愛犬とのスキンシップの後は手を洗ったりうがいをすることが大切です。