飼い主さんにとって嫌な問題行動の1つに「犬が自分のうんちを食べてしまう＝食糞」があります。

食糞をした後の口で、飼い主さんの顔をぺろぺろと舐めに来たとなると、普段はうれしいスキンシップが台無しですよね。

今回は、犬の食糞をした際のしつけや叱り方についてお話します。

ぜひ参考にしてみてくださいね。

■食糞をする自然な理由■

犬はなぜ食糞をしてしまうのでしょうか。

実は、自然な行動の1つとして食糞をすることがあります。

子犬の場合は「自分にとって未知なものを口に入れて確かめる」という行動が食糞につながっています。

子犬にとって、自分の周りにあるものは、知らない未知のものです。

その未知のものは自分の口の中に入れて確かめる行動を起こします。

人間の赤ちゃんと同じですね。

たまたまあったうんちを「何だろう」と口の中に入れて遊んでいるうちに食べてしまったという場合が多いようです。

成犬の場合、自分が赤ちゃんを産むと、その赤ちゃんのうんちと母犬が食べる行動を起こします。

これは、野生時代に巣穴にある赤ちゃんのうんちをそのまま放置しておくと、外敵が臭いを頼りに襲いに来る危険性があることから、敵から身を守る行動の1つとして考えられています。

人間からすると、うんちを食べることは考えられない行動ですが、犬にとっては自然な行動の場合があります。

■食糞をする不自然な理由■

食糞には、不自然な理由で犬が行っている場合があります。

飼い主があまり犬にかまってあげられないなどのストレスや、消化不良を起こしてしまっていてうんちにドッグフードのいい香りが残っている場合、食糞をしたら飼い主さんが自分にかまってくれるという間違った認識をしているなどの理由があります。

成犬になってからの食糞は不自然なものが多いです。

自分のうんちを食べてしまうのも大変ですが、散歩最中にほかの犬のうんちを食べてしまうのも厄介です。

寄生虫などの病気が隠れているうんちかもしれませんので、病気になってしまわないように食糞グセを治す必要があります。

■食糞を直すしつけ■

犬が食糞をしている際は、食糞をさせないようにする「環境づくり」が大切です。

食糞のしつけとして大切なことは３つです。

１、食糞をしても騒がず、何事もなかったかのように無視してうんちを片付ける

この何事もなかったかのようにふるまうのが一番重要です。

犬が食糞行動を起こしているのも目の当たりにすると、飼い主さんはどうしても声を上げて騒いで叱るといった行動をしてしまいがちです。

しかし、この騒いで叱っている行動が犬にとって「飼い主さんが自分に構ってくれている」と勘違いしている可能性があります。

犬は飼い主さんにかまってほしくて食糞をしているので、食糞をしていても犬に興味を示さない行動を繰り返せば、食糞をしても飼い主さんは自分と遊んでくれないと学習します。

２、消化不良を起こさないご飯に変える

飼い犬にとって消化が良いドッグフードだと、うんちも小さく臭いも少ないものになります。

反対に消化不良を起こすドッグフードでは、うんちが大量になって臭いもキツくなり、飼い犬が興味を持ってしまうようなうんちになります。

消化不良のうんちは、ドッグフードの臭いもそのまま出てきてしまうので、犬が食べ物かもと勘違いして食糞につながります。

安い特売などのドッグフードではなく、きちんとした原材料を使用している消化の良いドッグフードに切り替えると食糞がピタッと治まったという話もありますよ。

３、うんちをしたらオヤツをあげる

犬は自分のうんちに興味を示して、その興味が強くなって食べてしまう行動を起こします。

うんちから興味をそらすために、おやつをあげてみてはいかがでしょうか。

うんちをしたら美味しいおやつがもらえると犬が分かれば、うんちをしたことを飼い主さんに知らせにきてくれますし、美味しくないうんちを食べようとする行動は減ります。

いかがでしたか？

犬の食糞は飼い主さんもスキンシップが思うように取れなくなってしまうのが悲しいですし、ほかの犬の病気をもらう可能性も高くなってしまいます。
出来るだけ食糞グセを直すしつけを早めに行ってくださいね。